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2012年4月26日 (木)

【報告】野中広務氏講演会「歴史に学ぶ 国旗・国歌の強制は必要か」

 返り咲き事務局長の宮本恵伸です。
 事後報告となりますが、去る3月17日、元衆議院議員・元官房長官の野中広務氏をお呼びし、国旗・国歌の強制の問題についてお話を伺いました。
 その内容について、要約したものを掲載させていただきます。

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歴史に学ぶ 国旗・国歌の強制は必要か

 平成24年3月17日,京都弁護士会に野中広務先生をお招きし,「国旗及び国歌に関する法律」(以下「国旗国歌法」)の成立過程をご説明いただいた上,国旗・国歌の強制や日本への想いについてお話しいただきました。

1 国旗国歌法制定過程
私が小渕内閣の官房長官を務めていた平成11年2月,閣議後の閣僚懇談会を行っていたとき,広島の県立高校の校長が卒業式前日に自殺するという痛ましい事件が報道されました。卒業式での日の丸掲揚と君が代斉唱をめぐり,教員組合や部落解放同盟等の抗議団との間で,連日連夜の交渉を余儀なくされたことが原因でした。
私は,長い地方自治の経験の中で,国旗・国歌が争点となってむなしい論争が繰り返されたり,政治的な目的の道具として用いられたりしてきたことを目の当たりにし,その度,何とかしなくてはならないという気持ちを持ってきました。その中でこのような事件が起こったのです。
ちょうどその前の週,小渕総理が参議院で「国旗・国歌を法制化しない。」という答弁をしたところでした。しかし,人の命には代えられません。国旗・国歌をめぐって同じことがあちらこちらで起き,多くの人が苦しんでいる現実があり,そのような中で人が亡くなったという事態を座視することは出来ません。ここで行動を起こさなくてはならない,国旗・国歌をはっきりとしておかなければいけないと決意し,私は,小渕総理に対し,「総理、国旗・国歌法案を作りましょう。」「絶対やらせてください。」と伝えました。
最初は小渕総理も消極的でしたが,私の熱意に折れ,最終的には,「責任を持って,法案の成立に努力をしてくれ。」と激励してくれました。その後,私は,古川副長官に対し,「法案の表現は,『国旗は日章旗とする』『国歌は君が代とする』とそれだけでいいんだ。強制も何もしない。とにかく,我が国の国旗は日の丸であり,国歌は君が代であるということの法的根拠さえ示せば良いんだ。」と伝えました。
官房長官の記者会見は1日2回,午前11時と午後4時に行われます。その場で,私は国旗国歌法案について質問を受け,「国会の議論を得て,国の骨幹となる国旗国歌法を我が内閣で成立させ,法的根拠を持ちたい。」と発表しました。騒然となりましたが,しかし,私はむしろ冷静でした。そして,衆議院で2日間,参議院で2日間議論し,国旗国歌法が成立したのです。

2 国旗・国歌の強制について
最近,大阪の橋下市長が国旗・国歌の問題を非常に大きく取り上げ,ついに条例を作りました。入学式・卒業式での国旗・国歌の取り扱いは,教育委員会の所管に属する事項です。それにもかかわらず,大阪の知事及び市長は,強引に国旗を掲揚させ,国歌を斉唱させ,そして,それに応じなければ処罰するとしました。現実に今問題になっています。
しかし,そもそも政治は教育に口を出すべきではありません。政治が教育を支配した戦時中の反省に基づき,「教育の独立」を保つために教育委員会があるのです。知事や市長が教育委員会に介入する資格はありません。

3 日本への想い
 橋下市長が,君が代条例を用いてどのようなことをやろうとしているのかわかりません。ただ,私は日本という国は,何か大きな風が吹いてきたら,その風にそのまま流されていく,そういう怖さがあると感じています。
小泉改革もその一つです。「郵政をつぶしてやる。」という暴言が,「自民党をつぶしてやる。」とまでなり,それが大きなブームになり,財界人もこれに参画して規制緩和に走りました。私は,規制緩和はあらゆるところで日本という国のあり方を解体してしまったと思っています。
私達は,小泉改革に対して,それが誤りであるということを一生懸命に説きました。しかし,国民からは,徹底して攻撃を受け,非常に厳しい叱責を受けました。そして,どんどん孤立してしまいました。
小泉氏が2回目の総裁選挙に出る際,私は家内に電話をして,「明日小泉氏が立候補をするけれども,小泉氏が立候補をして立会演説をやったときに,私は,その後に政界を引退する表明をすることにする。」と言いました。私の後援会長に対しても,「後世において私が生きていなくとも,この狂った時代にバッジをつけて,そしてこれを正すことができなかった一人の政治家の汚点を私は残すことはできない。ここで私は潔く政界を引退したい。」と胸中を申し上げました。
世の中が大政翼賛的になっていく中で,私がバッジを外す姿を見て,一人でも「ああ,野中さんが言っていることはほんまだな。」という人があらわれてくれることが,せめて私の果たす役割であるという気持ちから,政界を引退することにしたのです。
今日,日本が大きな危機に立っている中で,私は,橋本市長を代表とする大きな風に流された国民によって,日本が一色に染まってしまうことを危惧しています。そして,これからの日本は一体どうなってしまうのだろうかと憂慮する次第です。(了)

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